料理長の声

団五郎茶屋

団五郎茶屋 料理長 西村誠(にしむら・まこと)

1953年生まれ/三重県伊勢市出身


---料理の道を志したきっかけは?

兄が寿司屋を経営していたことが、料理人の世界に入るきっかけでした。大阪にも出店したので手伝いに行き、板場で魚を捌き、料理の初歩を教わりながら、作る楽しみも覚えました。それからレストランや川魚料理、懐石料理、いろんな料理の世界を経験しました。





---おかげ横丁を選んだ理由は?

伊勢に帰郷し、原点に戻ってもう一度「寿司」をやろうと思ったんです。それで名前に惹かれて「すし久」に来たのですが、私の思う「寿司屋」ではありませんでしたけどね。そこでは、おかげ横丁に期待される料理を学びました。てこね寿しととろろ汁のほか、付け合わせの煮炊きものなど新たに覚えることも多かったです。



---すし久のあと団五郎茶屋に

平成14年に団五郎茶屋がリニューアルするにあたって、メニューも一新しました。それまではところてんなどおやつに近い軽食を主にした店でしたが、茶屋としての食事を増やすことになりまして。解放された厨房ということもあって、全て見られているという緊張感もありますし、ここでの料理内容には制限があります。あと他の店舗で出していないメニューにしないといけません。売れているメニューだからといって真似は出来ませんのでね。それにここは私を含めて調理人は2人ですので、厨房には表のスタッフも入ります。みんなが同じ味を出せるような料理にしないといけないので、あまり複雑なことはできないんです。メニューを決めていくうえで、調理の制約や苦労が多かったんですよ。



---この店の料理長に任命されたときのお気持ちは?

田舎風の茶屋がこの店のコンセプトです。もちろんここを目指してきてくれるお客様もいますが、どちらかと言えば、ほっとしたいときに立ち寄るという気軽さがウリ、そんな時に食べるメニューを用意しなくてはいけません。そして飾り立てたものよりも、素朴なものがこの店にあっています。店に抱くイメージは素朴ですが、その中でも極上のものをお出しするのが我々の役目。例えばおにぎりにしたって、シンプルなだけに素材選びには手を抜けません。米にしろ、具材にしろ、その極上を見つけるまでが大変です。
価格設定の葛藤もあります。極上であれば高くていいという話ではなく、気軽な茶屋ですから単品で500円程度、セットでは1000円以内におさめたいと、そこも苦労します。



---苦労したメニューはありますか?

おにぎりには、今「つやひめ」を使っています。光沢があって、冷めてもおいしいと評判のお米です。それと握り方ですが、これにもコツがあります。表面は堅いけど、中身はほどよく崩れやすいふわっと感。誰しも作れるおにぎりですが、案外難しいですよ。
そばにもこだわって長野の手打ちです。そば粉選びから、麺の太さや喉越しの加減、いろいろと試しました。もっちりとした弾力の中にコシがある戸隠のそばにしましたが、手打ちにこだわって正解です。
2つを柱に、季節に応じたメニューがそれぞれ必要で、冬場は豚汁が好評ですし、ある程度、店に求められるものも定着してきました。



---団五郎茶屋ならではの喜びは?

食べ終わった後、わざわざこちらまで来ていただいて、「おいしかった」と言ってくれる人もいます。ここの厨房はほかと違って気を遣うところが多いですが、直接お客様の顔が見えるのが何よりですね。


若いときに重ねた経験もあって、どこか兄貴分のような西村料理長。豪快なイメージの裏には、素材のよさを巧みに活かす繊細な努力が隠されていました。

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